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このブログの趣旨と目的
ガネーシャの課題一覧
今回の課題:名作を鑑賞する
この課題の目的
ガネーシャは「名作」を映画だけに限定せず、音楽や小説など、どのジャンルでもいいと言っていますが、私は一番接しやすい映画に限定して話を進めます。
人生自体が一つの映画、もしくは色々な映画の連続だと私は思っています。かなり月並み考え方ですが。「神様とのおしゃべり」(さとうみつろう著)という小説にも面白い考え方が出てきます。私たちが体験しているこの人生は、「すでに撮影が終わった映画のDVD」を見ているようなものという考え方です。見る前から結末が全てわかっているということはないかもしれません。しかしDVDを選ぶときにその映画のジャンルやタイトル、どんな話かは知っていて選ぶはずです。だから、私たちは常にある程度自分で願ったストーリーの中を生きている、的なことをこの本では言っています。かなりスピリチュアルな部分もありますが、なんだか人生窮屈だなあとか、不自由だなあとか思っていた私にはかなり刺さりました。これもAudibleで聴くことを強くお勧めします。朗読の人たちの表現力すごいです。
これは「過去の出来事を「伏線」ととらえ、希望を持ち続ける」と考え方は繋がっていると思います。私たちは自分で見たいと思ったDVD、言い換えると、自分で願った通りの人生を常に経験しているわけです。途中でどんなに落ち込むようなことがあっても最終的には自分が願った結末にしかならないから、それを信じて最後までDVDを見ておけばいいのだと思います。
「名作を鑑賞する」ことには、一つの人生、もしくは人生の重要な一コマを2〜3時間足らずで擬似体験できるという効果があります。あなたにも経験があると思いますが、映画には落ち着く時間があります。どんなアクション映画にも、ただテーブルについて登場人物が会話をしているだけのシーンもあります。ふと思い出したことがあります。私が小学生の頃、父と「ターミネーター3」を映画館で見ました。言わずと知れた大迫力アクションムービーです。小学生ながらにシュワちゃんの活躍に興奮していた私の横で、父は寝ていました。「ターミネーター3」をしても人によっては退屈だと思うシーンを含んでしまうということです。私の人生にそんなシーンがあってもなんの疑問もありません。
しかし、そんな退屈なシーンにもきっと意味はあります。おそらく父はクライマックスのシュワちゃんの大活躍を見ても、「なんでこの人はこんなに頑張っているんだろう」としか思えなかったはずです。人によって一つ一つのシーンの解釈は様々だと思います。映画が終わった後、私たちなりに点と点をつなげることが大切です。最後に点と点が絶妙に繋がるように作られている映画が時代を超えて名作と呼ばれているのだと考えます。
今回の課題の目的は「点と点をつなげる擬似体験」をすることと、その中で「人間の普遍的な奥深さ」や「新たな生き方や人生の意味」を見つけることだと考えました。
実践した結果
今回私が鑑賞した名作は、『ゴッドファーザー』です。ストーリーについてネタバレをかなり含むので、これから「ゴッドファーザー」をゼロの状態から楽しみたいという方はご注意ください。
映画を見る前は、有名な「愛のテーマ」をBGMにロバート・デニーロのモノマネをしている「どーよ テル」さんのイメージしかありませんでした。
蓋を開けてみると、「ゴッドファーザー1」にはロバート・デニーロが出てきてすらいませんでした。「ゴッドファーザー」は『ゴッドファーザー』、『ゴッドファーザーPart 2』、『ゴッドファーザーPart 3』からなる三部作で構成されています。デニーロはPart 2で、物語を通しての主人公「マイケル・コルレオーネ」の父である「ヴィトー・コルレオーネ」の青年時代役として登場します。モノマネの本物を見たい方はそちらへどうぞ。
『ゴッドファーザー1』のあらすじ
主人公のマイケルはイタリアンマフィア、コルレオーネファミリーのドン・ヴィトー・コルレオーネ(ゴッドファーザー)の三男として生まれます。第二次世界大戦、太平洋戦争を海兵隊員として過ごし、その活躍で英雄と呼ばれます。高い知性を持ち、理想家肌で、人から自然と尊敬を集める青年でした。ヴィトーもマイケルを後継者にするつもりはなく、やがて政界に進出し、ファミリーの表看板をつとめてくれればと希望していました。しかし、父ヴィトーの暗殺未遂事件、長兄ソニー暗殺を経て、物語の最後には父の後継者「ゴッドファーザー」となります。
ベストシーン3選
3時間に及ぶ大作ですので、語り出すとキリがありません。個人的に今後の人生に影響を与えるだろうなと思ったシーンを3つ選んで紹介したいと思います。正直、映画素人の私にはよくわからないシーンもたくさんありました。最初の結婚式のシーンとか長すぎだし、いつ面白くなるんだよと思いながら見ていました。しかし、油断して見ていると次のシーンで度肝を抜かれるので気をつけてください。
まず、この映画の一番重要だと思った圧倒的ベストシーンを紹介します。このシーンを語るために今回のブログはあると言っても過言ではありません。主人公のマイケルが初めてファミリーの仕事として人を殺めてしまうシーンです。別のファミリーから持ちかけられた麻薬ビジネスをヴィトー・コルレオーネ(ゴッドファーザー)は自分の主義に合わないと断ります。ヴィトーの古い考え方のせいでコルレオーネファミリーとのビジネスが滞っていると思ったそのファミリーはヴィトーの暗殺を試みますが、未遂に終わります。ここでヴィトーが銃撃されるシーンも衝撃的です。「え、ゴッドファーザーもう死ぬの?」という感じでした。その後も命を狙われ続けるヴィトーを守るため、マイケルは敵ファミリーの幹部と、その幹部と裏で繋がっている警察を暗殺する実行犯に名乗りをあげます。確認をしておくと、マイケルはヴィトーと血は繋がっていますが、堅気です。今までファミリーの仕事には関わってきていませんでした。ほぼ私たちと同じです。その彼が大切な人を守るため、人の命を奪うという決断をしたのです。
あるレストランで暗殺対象の2人と麻薬ビジネスの話をしている途中でトイレに行き、そこに隠してある拳銃をマイケルは手に取ります。トイレを出る前にマイケルは自分の髪を整えます。その時はマイケルの後頭部しか見えず、表情は見えませんが、それ故に自分がマイケルになったかのような緊張感があります。この一歩を踏み出したらもう後には引き返せない。それでも自分は進むんだという覚悟を決める場面です。私はマイケルが後ろから2人を銃撃するかと思いましたが、あえてもう一度2人の顔が見える席につきます。動揺からかマイケルの目は上下左右に激しく泳ぎます。しかし覚悟を決め、2人の頭を打ち抜きその場を去ります。
このシーンは今の私の状況に完全に一致していると感じました。私は、自分が大切にしたいと思うことのために、今持っている教師という安定した立場を捨てて前に進もうとしています。先日次の異動希望調査書を「辞職」という希望で出すことを校長先生に伝えた時と似ているなと感じました。これ以外にも、中学生の時に好きだった子に好きだと伝える前の気持ちにも似ているなと感じました。あなたにもそのような経験はあるのではないでしょうか。そして、その決断をした後には良くも悪くも大きな変化が訪れるはずです。私が今踏み出そうとしている一歩が正解だと言うつもりはありません。しかし、マイケルが踏み出した類の一歩を踏み出すことが人生の中でできるかどうかで、人生の充実度は大きく変わるとは確信しています。
ベストシーン二つ目は、コルレオーネ兄弟の長兄ソニーが敵の策略にはめられて暗殺された後に、ゴッドファーザー、ヴィトー・コルレオーネが涙を流してその死を悲しむシーンです。息子の死に悲しみの涙を流すなんて父親としては当然の行為だと思います。しかし、私がヴィトーなら、「いや、でもワシが今までに殺してきた人たちのことを思ったら自分だけここで悲しむのもなんかずるいかな。」と感情を表に出すことを躊躇するだろうなと思いました。ここに私とヴィトーとの人生における軸があるかないかの違いがあるのだろうなと感じました。ヴィトーはとにかく自分の家族、ファミリーのメンバーを最優先に考えます。他のことはどうなろうと自分の家族さえ守ることができればそれでいいという感じです。周りから見たら、「いやわがまますぎるだろー!」とか「もっと柔軟にできないのかよー!」とかツッコミを入れたくなると思います。しかし、ヴィトーはそのツッコミを全て「ファミリーが最優先なんで」と跳ね返します。思考に無駄がなさすぎて最高にミニマルだなと思います。だからこそ、息子のソニーの訃報に素直に涙を流すことができたのでしょう。一つのものだけを大切にすれば上手くいくほど人生は単純ではありませんが、何を優先すべきかが明確になっている人の方が納得のいく選択をすることができるようになるはずです。ちなみに、ヴィトー自身は孫と庭で遊んでいる最中に心臓発作で人生の幕を閉じます。割と幸せじゃないかと思いました。
三つ目のベストシーンは、最後にマイケルが新ゴッドファーザーとしてファミリー幹部たちから認められ、忠誠を誓われるシーンです。ヴィトーの死を受けて落ち目だとされていたコルレオーネファミリーが生き延びるため一手として、マイケルはライバルファミリーのボスや、楯突く有力者全員を一気に暗殺するという大技を最後に決めます。その中で長兄の暗殺の一端を担っていた義弟(実妹の夫)をも粛清します。そしてそのことを妹に指摘され、それが本当かと妻のケイに問い質されます。マイケルはそれを否定したのでケイは安心して給湯室へお茶を入れに行きます。その時、書斎にコルレオーネファミリーの幹部たちが入ってきて、大きな作戦を成功させたマイケルをゴッドファーザーとして認め、彼への忠誠の誓いである手の甲へのキスをします。それを見たケイはなんとも言えない不安とも諦めとも思える表情を浮かべます。その目の前でドアが閉じられるところで物語は終わります。
マイケルは自分の決断によってそこまでの道を作ってきました。3時間にも及ぶ大作です。ここでは語り尽くせないほど他にも肝を冷やすシーンや悲劇的なシーン、あまりにも退屈なシーンをマイケルは体験してきています。それら全てを経て、最後にゴッドファーザーになるという大きな目的地に到達します。全てのシーンがこのための伏線だったと言えるでしょう。しかし、マイケルがゴッドファーザーになることは彼にとって本当に幸せだったのか、正直わかりません。マフィアの道には進まず、平凡とは言えずともゴッドファーザーになるよりは圧倒的に穏やかな家庭をケイと築く道も選べたはずです。
幸いにもこの作品には続編もあるので、この考察の手がかりはもう少し残っていそうです。2、3もそのうち見ようと思います。
まとめ
正直思った以上に私の価値観を揺さぶる課題になりました。ネタになるかなーくらいの気持ちで『ゴッドファーザー』を見ましたが、ほぼ人生そのものじゃないかという作品でした。「過去の出来事を「伏線」ととらえ、希望を持ち続ける」ことはやはり大切だと思います。しかし、それが何に繋がっているのかを現在の点から予測することはやはり難しいです。マイケルだって、「ゴッドファーザーに、俺はなる!!」という志を最初から持っていたわけではありません。むしろファミリーの仕事には関わらないようにしていたくらいです。ひとまず、捨てることを恐れずに決断ができる力を磨くことで私は道を作って行ってみようと思います。これもかなりお勧めできる課題の一つですね。そして『ゴッドファーザー』もお勧めです。
次回の課題:やりたくないことを全部書き出し、やりたいことに転換する
これは初めて「夢をかなえるゾウ0」を読んだ時からずっと実践したかった課題です。「じゃあやればいいじゃん」という話ですが。こうして誰かに見てもらっているという環境がないと動けないのです。中学生と同じです。でもそれが悪いことだとは思いません。むしろそれを理解して、そういう環境を自分で作って結果として自分の行動をコントロールできている私はナイスだと思っています。そしてお付き合いいただいているあなたに心から感謝しています。次回も楽しんでやっていこうと思います。
コメント
おはようございます。
今回も楽しく拝読させていただきました。
今週もがんばりましょう。
ゆきっちょさん
いつもありがとうございます。
今週も頑張りましょう。